書籍『インサイドアウト』を日本集団精神療法学会 第43回学術大会にて展示販売

9784991384400 インサイドアウト 「内なる子ども」を癒す ~Drop+Kiss…+より~ 上巻
9784991384417 インサイドアウト 「内なる子ども」を癒す ~Drop+Kiss…+より~ 下巻

株式会社andnp(東京都府中市)は、同社刊行の書籍『インサイドアウト 「内なる子ども」を癒す ~Drop+Kiss…+より~』(上下巻)を、2026年3月21日(土)・22日(日)に慶應義塾大学三田キャンパスで開催された日本集団精神療法学会 第43回学術大会の会場にて展示販売しました。

本大会は、一般社団法人日本集団精神療法学会が主催する学術大会であり、集団(グループ)を活用した心理療法の実践および研究を扱う専門的な場です。第43回大会のテーマは「グループと私」であり、個人と集団の関係性、他者との関わりの中で自己をどのように捉えるかという観点から、多様な実践と議論が行われました。

会場での展示では、関連書籍が「理論と体験」「社会と個人の内面」という二つの軸によって整理されていました。
『トラウマからの回復と社会の修復』は「社会 × 理論」、
『夜と霧』は「社会 × 体験」、
『ソマティック・エクスペリエンシング入門』は「個人の内面 × 理論」に位置づけられ、
『インサイドアウト 「内なる子ども」を癒す ~Drop+Kiss…+より~』は、その中で「個人の内面 × 体験」の領域を担う書籍として紹介されました。

心理療法やトラウマ研究の領域においては、これまで理論的整理や社会的文脈の記述は数多く蓄積されてきましたが、当事者の長期にわたる内面的変化を一次資料として連続的に追体験できる記録は限られているのが実情です。とりわけ、逆境的小児期体験(ACE)やトラウマの影響が生涯にわたりどのように変容していくのかについては、臨床的には重要でありながらも、断片的な事例報告や理論的説明に依拠せざるを得ない側面がありました。

さらに近年、心理療法・メンタルヘルスの領域においては、エビデンスや理論の蓄積に加え、当事者の主観的体験そのものへのアクセス、すなわち「どのように感じられ、どのように変化していくのか」というプロセス理解の重要性が改めて認識されつつあります。このような状況の中で、「個人の内面 × 体験」という領域は、理論と実践を接続する上で相対的に不足している領域として位置づけられます。

『インサイドアウト 「内なる子ども」を癒す ~Drop+Kiss…+より~』は、著者・雛瀬ななが16歳から20年にわたり書き綴った日記「Drop+Kiss…+」をもとに構成されたノンフィクションです。約1000万字に及ぶ日記と700ページにわたるカルテという一次資料を背景に、インナーチャイルドを主題として、心理療法の歩み、喪失、回復、そして人生の意味の探求を描いています。一般向けのノンフィクションでありながら、長期にわたる内面的変化を一次資料としてたどることのできる記録としての側面も有しています。

本書の特徴は、トラウマや逆境的小児期体験(ACE)について、理論的に説明するのではなく、当事者の長期にわたる内面的記録を通して、その過程を読者が追体験しうる点にあります。心理療法や対人支援に携わる専門家にとっては、概念として知るだけでは届きにくい内面の推移や感覚の変化に、時間をかけて伴走するように触れることのできる資料でもあります。

本書は、当事者の切実な体験を記録した作品であると同時に、心理療法の長期的プロセスを内側から捉えた記録としての側面も有しています。そのため、一般読者にとっては喪失と回復をめぐるノンフィクションとして、また心理臨床や対人支援の実務に関心を持つ読者にとっては、理論を補完し、臨床的理解を深めるための体験的資料として読むことができます。

今回、集団精神療法を専門的に扱う学術大会の会場において、本書が「個人の内面 × 体験」の領域を担う書籍として、理論書や他の体験記と対照的に展示販売されたことは、心理療法・対人支援・回復の実践において、当事者の長期的内面記録が持つ意義が改めて可視化された機会となりました。

心理療法における理論と体験、および社会と個人の内面の関係性


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